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全日制・定時制・通信制の違いは?
不登校の子の高校選びで知っておきたい基本
「全日制に戻るのが難しいかもしれない。でも、定時制と通信制は何が違うの?」――進路を考え始めた保護者の方から、よく出る疑問です。この記事では、高校の3つの課程の違いを、法令と文部科学省の資料で確認できた事実だけで整理します。どれが向くかを決めつけず、選ぶときの見方を添えました。
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全日制・定時制・通信制は、同じ「高校」で、卒業に必要な単位は原則として同じ74単位以上です(病気療養中の生徒などの例外規定があります)。違うのは学び方と、通う頻度・時間の組み方です。修業年限は、全日制が3年、定時制と通信制は3年以上と法律で決まっています。通信制は、毎日通う形ではなく、添削指導(レポート)・面接指導(スクーリング)・試験で学びます。課程どうしの転籍は、修得した単位に応じてできる、と定められています。
3つの課程の比較表
法令や文部科学省の資料で確認できたことだけを並べました。
| 全日制 | 定時制 | 通信制 | |
|---|---|---|---|
| 修業年限(法定) | 3年 | 3年以上 | 3年以上 |
| 卒業に必要な単位 | 74単位以上(原則として3つの課程共通) | ||
| 学び方 | 学校で授業を受ける(標準は年35週・週30単位時間) | 学校で授業を受ける(授業日数や1日の授業時数は、生徒の勤労状況や地域の事情を考慮して学校が定める) | 添削指導・面接指導・試験 |
| 特別活動(ホームルーム活動を含む) | ホームルーム活動は原則として年間35単位時間以上 | 特別の事情がある場合に一部を減らせる | 卒業までに30単位時間以上 |
| 学校数(令和7年度) | 4,590校(全体の83.0%) | 606校(11.0%) | 333校(6.0%) |
学校数は文部科学省の資料(出典は学校基本調査、令和7年度)で、全日制と定時制を併設する学校はそれぞれに数えられています。
生徒数は、令和7年度の通信制が約30.5万人(公立約6.2万人、私立約24.3万人)、全日制・定時制の合計が約287.4万人(専攻科・別科の生徒を含む)です(文部科学省の資料の集計。集計の範囲は資料によって異なります)。
N高等学校
通信制の一つの例として、ネットを中心に学ぶ学校があります。通う頻度や学習の進め方は、コースごとに資料に書かれています。課程の違いを理解したうえで、資料で「自分のペースで進められるか」を確かめると整理しやすくなります。
公式サイトに移動します。資料請求・体験の申し込みは内容を見てから決められます。
通信制の学び方:添削・面接・試験
通信制では、添削指導(課題を提出して添削を受ける)、面接指導(スクーリング。先生と直接顔を合わせて受ける授業)、試験の3つの方法で学ぶと、高等学校通信教育規程第2条に定められています。
面接指導と添削指導の回数の標準は、学習指導要領に科目ごと・1単位あたりで示されています(下の表は主な教科のみ。家庭・情報・専門教科などは別に定められています)。年間の日数や時間の目安は、確認できた資料では示されていません。
| 教科・科目 | 添削指導(1単位あたりの回数) | 面接指導(1単位あたり、50分を1単位時間として) |
|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
| 理科 | 3回 | 4単位時間 |
| 保健体育(体育) | 1回 | 5単位時間 |
| 保健体育(保健) | 3回 | 1単位時間 |
| 芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
ラジオ放送やテレビ放送などの多様なメディアを利用した学習を学校が計画的かつ継続的に取り入れ、報告課題の作成などで成果が満足できると認められる場合は、面接指導等の時間数(特別活動の時間数を含む)を、10分の6以内の範囲で免除できます。複数のメディアを併用する場合は、生徒の実態などから特に必要があるときに限り、合計で10分の8までです。どこまで免除するかは学校ごとに違うので、スクーリングの記事とあわせて、志望校で確認してください。
スクーリングの日数の考え方や、行きにくいときの確認先は通信制高校のスクーリングの記事で整理しています。
課程をまたいで移るとき
全日制から通信制へ移るような課程どうしの転学・転籍について、学校教育法施行規則第92条第2項は、「修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる」としています。つまり、これまで学校で修得した単位が、すべて無駄になるわけではありません。
- 単位の引き継ぎ方は学校ごとの判断になります。この記事で確認した範囲では、一律の基準は見つかりませんでした。
- 年度の途中の入学は、相当年齢に達し、その学年の生徒と同等以上の学力があると認められた人に許可される、と定められています(同規則第91条)。また、特別の必要があり教育上支障がないときは、学期の区分に従って入学(第91条の入学を除く)・修了・卒業を認めることもできます(同規則第104条第3項)。実際に途中入学を実施するかは学校ごとです。
時期・手続き・単位の引き継ぎの進め方は、通信制高校への転入・編入の記事で整理しています。
選ぶときの見方
どの課程が「正解」ということはありません。次のような見方で、お子さんの今の状態に合わせて比べてみてください。
- 通う頻度の目安は、今のお子さんにとって無理がないか。毎日の通学、決まった時間帯の通学、年に数回のスクーリングでは、負担の種類が違います。
- 自分で進める学習の割合。通信制は、課題を自分で進める時間が長くなります。サポートの手厚さは学校ごとに違うので、通信制高校のデメリットの記事のチェックリストも参考になります。
- 費用。私立か公立か、サポート施設を使うかで変わります。通信制高校の学費の記事で「年間の実費」の見方を整理しています。
- 入学の時期と選考。募集の時期や選考の方法は学校ごとに違います。出願時期の記事を参考に、最新の募集要項で確認します。
通信制を選ぶ場合の全体像は不登校でも通信制高校に入れる?の記事に、学校の見学や説明会で確認したいことは説明会・見学のチェックリストの記事にまとめています。
よくある質問
全日制・定時制・通信制は、卒業したときの資格に違いがありますか?
卒業に必要な単位数は、課程を分けずに「74単位以上」と定められています(学校教育法施行規則第96条)。この記事で確認した法令・学習指導要領の範囲では、課程によって卒業資格の種類が分かれる定めは見当たりませんでした。進学や就職での扱いは、志望先の募集要項などで確認してください。
通信制高校は、何年で卒業できますか?
法令上の修業年限は「三年以上」です(学校教育法第56条)。3年で卒業できるかどうかは、毎年どれだけ単位を修得できるかによります。実際の年数は学校の学則や、前の学校で修得した単位の扱いで変わるため、志望校で確認してください。
全日制から通信制に移ると、それまでの単位は使えますか?
課程どうしの転学・転籍は、修得した単位に応じて相当する学年に転入できる、と定められています(学校教育法施行規則第92条第2項)。具体的にどの単位がどう引き継がれるかは学校ごとの判断になるため、転入先に成績の書類を見せて確認します。くわしくは転入・編入の記事で整理しています。
定時制と通信制の違いは何ですか?
定時制は、学校で授業を受ける課程で、授業日数や1日あたりの授業時数を、生徒の勤労状況や地域の事情を考慮して学校が定めます(学習指導要領)。通信制は、添削指導(レポート)、面接指導(スクーリング)、試験の3つの方法で学ぶ課程です(高等学校通信教育規程第2条)。通う頻度や時間の組み方は、課程ごとにも、学校ごとにも違います。
入学資格は、課程によって違いますか?
高校の入学資格は学校教育法第57条に定められており、この記事で確認した範囲では、課程ごとに別の資格は設けられていません。ただし、選考の方法・出願の時期・応募の条件(居住地など)は学校や自治体ごとに違います。通信制の出願の例は出願時期の記事で整理しています。
出典と確認日
確認日は2026年10月17日です。法令は更新されることがあるため、最新の内容は各ページでご確認ください。
- 学校教育法(e-Gov法令検索):第53条・第54条(課程)、第56条(修業年限)、第57条(入学資格)
- 学校教育法施行規則(e-Gov法令検索):第91条(途中入学)、第92条(転学・転籍)、第96条(卒業に必要な単位)、第104条第3項
- 高等学校通信教育規程(e-Gov法令検索):第2条(通信教育の方法)
- 高等学校学習指導要領(平成30年告示)総則(文部科学省):74単位、特別活動の時間数、通信制の添削指導・面接指導の標準、メディア利用による減免
- 高等学校教育の現状について(文部科学省、令和8年8月):課程別の学校数(令和7年度学校基本調査)
- 通信制課程における教育課程について(文部科学省の資料):令和7年度の生徒数
不登校でも通信制高校に入れる?仕組みと選び方 →
※ 本記事は随時更新しており、掲載内容は更新時点での当方の最新の整理です(最終更新: 2026年10月)。法令・学習指導要領・文部科学省の統計は更新されることがあります。実際の修業年限・単位の扱い・授業の形は、必ず志望校の最新の募集要項・学則・公式サイトでご確認ください。
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